暮らす・働く 学ぶ・知る

岡垣町で「シニアカー安全マップ」完成 町内の危険箇所や迂回路掲載

「社協まつり」で開かれたシニアカー体験会の協力メンバー

「社協まつり」で開かれたシニアカー体験会の協力メンバー

 「おかがきシニアモビリティサポート」が作成を進めてきた「岡垣町シニアカー安全マップ」が9月26日に完成し、同日、岡垣町社会福祉協議会の「社協まつり」で初披露された。

完成した「岡垣町シニアカー安全マップ」を手にする林剛己さん

[広告]

 同団体は、おんが病院訪問看護リハビリステーション(遠賀町尾崎)で理学療法士として勤務する林剛己さんを中心に活動するボランティア団体。「日本一、シニアカーにやさしいまち岡垣」を掲げ、シニアカーの体験会や安全な利用方法の啓発などに取り組んでいる。

 活動のきっかけは2022年。林さんは当時小学生だった長男と共に地域活動について考える「岡垣スタイルアカデミア」に参加し、「パーソナルモビリティの街岡垣」を提案した。訪問リハビリの仕事を通じ、運転免許証の返納を機に外出する機会が減り、その後、病気などでリハビリが必要になる高齢者を見てきたという。林さんは「フレイル予防には外に出て、人と関わることが大切。免許を返した後も、自分で行きたいところへ行ける環境をつくりたいと思った」と振り返る。

 活動を始める中で、「シニアカーは危ない」「町内には通りにくい歩道がある」といった声が寄せられたことから、町内の道路状況を調査。2024年ごろから安全マップの作成を本格化した。林さん自身が町内を回り、歩道の有無や段差、急坂、踏切などを確認。通行に注意が必要な場所や危険な場所、迂回路などを写真と地図でまとめた。急坂などでは車両への負荷も考慮し、迂回路を示している。

 マップは一般に一律配布するのではなく、専門職や行政関係者などが利用者の生活圏に合わせて安全な経路を伝える際の資料として活用する予定。林さんは「家の周りのどこが危ないのか、どの道を通ればいいのかは一人一人違う。実際に生活する場所に合わせて伝えていきたい」と話す。利用者などから新たな情報が寄せられれば、今後も内容を更新していくという。

 岡垣町では2025年4月、一定の条件を満たす高齢者を対象に、シニアカーなどの購入費の一部を補助する制度を始めた。林さんによると、今年4月からは補助制度を利用した人の自宅を専門職が訪ね、安全な利用方法などを伝える取り組みも始まり、安全マップを活用していく予定だという。

 この日の体験会には、福祉用具のレンタル・販売を行うフランスベッドメディカル(北九州市八幡西区)とクローバー(福岡市城南区)の協力で、複数のシニアカーを用意し、高齢者だけでなく子どもたちも乗車した。林さんは、体験会について「乗る人を増やすことだけが目的ではない」と話す。「子どもたちにも乗ってもらい、どんな乗り物なのかを知ってほしい。道でシニアカーに乗っている人を見かけたときに、地域のみんなが温かく見守れるようになれば」と期待を込める。

 今後は体験会や講習などを続け、地域の店舗や企業などにも協力を呼びかける。林さんは「自分自身が免許返納をする歳になったときに、もっと自由に外へ出て楽しく暮らせる町になってほしい。そのために今から、自分たちが暮らしやすい町をつくっていけたら」と意欲を見せる。

ピックアップ

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
ALL