「第21回筑前芦屋だごびーなとわら馬まつり」が9月1日、芦屋町中央公民館(芦屋町中ノ浜4)などで始まる。
芦屋町には、子どもの成長を願う「八朔(はっさく)の節句」が300年以上にわたり受け継がれている。その家で初めて八朔を迎える男児には「わら馬」、女児には「だごびーな(団子雛)」を飾って祝う。芦屋の八朔行事は福岡県指定無形民俗文化財で、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」にも選択されている。
かつては八朔の翌日、地域の子どもたちが八朔の節句を行った家庭を訪ね、「幸せのおすそ分け」として、わら馬やだごびーなをもらう「ウマモライ」も行われていた。芦屋町観光協会の北陽一さんの母・恵美子さんは「子どもの頃には9月2日の午前0時を過ぎると明かりのついた家を回り、わら馬や菓子などを持ち切れないほど受け取った」と振り返る。
今年2月21日に生まれた陽一さんの長男・晴翔(はると)ちゃんも今年初めて八朔を迎える。北家ではわら馬を飾り、晴翔ちゃんの成長を願う。4年前には晴翔ちゃんの姉をだごびーなで祝ったという。
芦屋町観光協会では、八朔の節句を行う家庭にひな壇などの貸し出しや設置、わら馬やだごびーなの制作支援などを無料で行っている。今年、同協会の支援を受けて八朔の節句を行う家庭は男児8軒、女児3軒の計11軒で、記録が残る2008(平成20)年以降では最多となる。
八朔行事を後世に伝えようと開く同まつりは今年で21回目。2017(平成29)年の第12回から、町内の主要施設に作品を約1カ月展示する現在の形式で行っている。
期間中は芦屋町中央公民館に約80体、マリンテラスあしや、芦屋町観光協会、芦屋釜の里にそれぞれ約30体のわら馬などを展示する。芦屋歴史の里では、八朔行事に関する作品や資料を常設展示している。だごびーなは、かつて色を付けた米粉で作っていたが、現在は扱いやすい「お米のねんど」を使って制作している。
一方、わら馬作りでは材料となるわらの確保や作り手の減少が課題となっている。「筑前芦屋だごびーなとわら馬の会」では10人ほどが制作に携わる。北さんによると、高齢のメンバーが中心で、芦屋町内から新たに参加する若い世代は少ないという。
北さんは「昔と同じ形で各家庭だけで行事を続けることが難しくなる中、展示や家庭への支援を通して八朔の節句を知る人を増やし、次の世代への継承につなげたい」と話す。
9月27日まで。最終日の13時からは同館で、来場者先着100人に「わら馬」を配る。