すし店「寿し豊」(芦屋町高浜町)の店主・泓(ふけ)早織さんが父から店を引き継いで9月22日で1年を迎えた。
同店は、早織さんの父・泓康隆さんが30年以上営んできた店。康隆さんの病気が約5年前に分かったことをきっかけに、次女の早織さんが店の仕事に入り、事業承継に向けた準備を進めてきた。
承継に当たっては、商工会の事業を通じて専門家の支援を受けた。康隆さんと早織さん、それぞれが店を今後どうしていきたいかを話し合い、将来の見通しなどを整理した計画書も作ったという。
早織さんは高校卒業後、岡垣町の「八幡屋」で接客を経験し、同店の関係者から魚のさばき方を教わった。その後は康隆さんの仕事を手伝いながら、仕込みや裏方の仕事などを覚えた。すしを握る技術は最後に身に付けたという。
康隆さんは昨年9月10日に亡くなり、同店は各種手続きを経て、同22日に営業を再開。店を一度閉めて新たに創業するのではなく、康隆さんが営んできた店をそのまま引き継ぐ形で営業を続けた。
営業再開後は、康隆さんの代から通う常連客から励ましの声が寄せられた。常連客の紹介をきっかけに、新たに来店する客もいるという。
現在は早織さんを中心に、母の悦子さんと、康隆さんの代から店を支える板前が営業に携わる。昼営業も行い、平日は予約制、土曜・日曜は予約なしでも利用できる。ランチの看板メニューは、すし、天ぷら、茶わん蒸しなどを組み合わせた「すし定食」(1,980円)。「会席」(4,950円)は完全予約制で、法事後の会食など団体利用にも対応する。席数は、テーブル席5卓(4卓4席、1卓6席)、カウンター席7席を用意。
すしのほか、刺し身や天ぷら、煮付けなども提供。鯛のお頭のあら炊きや骨蒸しなど、その日の魚を使った料理も用意する。ヤリイカや天然アナゴなども扱い、希望するネタについても可能な範囲で仕入れに応じる。
当初に比べて落ち着いてカウンターに立てるようになったという早織さん。今後について、「まずは3年」を一つの目標に掲げ、「父の代からの客を大切にしながら、若い世代や女性客にも酒や料理を気軽に楽しんでもらえる店にしていきたい」と意欲を見せる。